棚田より五風十雨をことほげばわたしは石笛、楽鳴りいづる
龍神のお渡りと見え噴きのぼる霧に角ある風伝峠
ひとめぐりしたるもひとりの昼下がり首切り人のゐし村に驟雨
牛の糞まろめる瑠璃の虫きみの夢のなかにも糞まろめるか
もはや登れぬ 濡れ荒縄に両脚を巻あげられるやうにもつれて
石笛に龍神呼ばむみなごろし続くこの世に針の雨降れ
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