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丸山千枚田

丸山千枚田

棚田より五風十雨をことほげばわたしは石笛、楽鳴りいづる

龍神のお渡りと見え噴きのぼる霧に角ある風伝峠

ひとめぐりしたるもひとりの昼下がり首切り人のゐし村に驟雨

牛の糞まろめる瑠璃の虫きみの夢のなかにも糞まろめるか

もはや登れぬ 濡れ荒縄に両脚を巻あげられるやうにもつれて

石笛に龍神呼ばむみなごろし続くこの世に針の雨降れ

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© 2009 Yomo Oguro