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小黒 世茂(おぐろ よも)
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梅染め
高島市針江は水路のなかにある。 琵琶湖北西の安曇(あど)川(がわ)下流域にひろがる、扇状地のほぼまんなか。丹波高地と比良山系を
焼畑
「今年のヤボ焼きは八月三日。ちょっとでも雨降れば、一週間の延期です」 電話の報せに、運を天候にゆだねて椎葉村までやってき
藻塩
夏野菜が美味しくなった。トマトは甘味が濃く、胡瓜は噛むと水気が爆ぜ、レタスはちぎるとわりわり音がする。皿に盛りあげた夏.
鰒
鰒(あわび)は水深二十~五十メートルあたりで、荒(あら)布(め)や若(わか)布(め)や昆布などの海藻類を食べて育つ。主として夜行性で.
梅染め
05 3月 2016
エッセイ
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高島市針江は水路のなかにある。 琵琶湖北西の安曇(あど)川(がわ)下流域にひろがる、扇状地のほぼまんなか。丹波高地と比良山系を
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焼畑
30 1月 2016
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「今年のヤボ焼きは八月三日。ちょっとでも雨降れば、一週間の延期です」 電話の報せに、運を天候にゆだねて椎葉村までやってき
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藻塩
05 12月 2015
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夏野菜が美味しくなった。トマトは甘味が濃く、胡瓜は噛むと水気が爆ぜ、レタスはちぎるとわりわり音がする。皿に盛りあげた夏.
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鰒
31 10月 2015
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鰒(あわび)は水深二十~五十メートルあたりで、荒(あら)布(め)や若(わか)布(め)や昆布などの海藻類を食べて育つ。主として夜行性で.
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竹
03 9月 2015
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「恥ずかしながら、生きながらえて帰ってまいりました」の言葉で、世間に衝撃を与えたのは横井正一さんだった。 二十八年間.
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勾玉
26 8月 2015
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飾棚の上は、物でいっぱいになっている。素焼のピラミッド型の置物、赤いビロード袋に入った白い硝子玉、瓶入りの水銀、黒曜石.
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桜
18 7月 2015
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奈良斑鳩にある法隆寺西円堂には、薬師如来がまつられている。人びとから「峰のお薬師さん」と呼ばれ、親しまれている。毎年こ
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梅
16 6月 2015
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正月の床の間を飾った、紅梅の盆栽を庭におろした。十年経って幹は細かったが、大人の背丈以上にまで成長した。寒風のなか、
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遊女
18 3月 2015
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飛田新地は、大阪市西成区にある色街だ。 大正時代に築かれた日本最大級の遊廓といわれ、いまも一六〇軒ほどが料亭として店.
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2015年度 短歌講座のおしらせ
15 2月 2015
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申し込み開始 一般 3/4(水)10:30~ 問い合せ:明治大学リバティアカデミー事務局 TEL:03-3296-4423 FAX:03-3296-4542 academy@mics.meiji.ac.jp .
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鰻
04 2月 2015
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熊野には大鰻がいる。 五年前の春、古座川中流域に住む男性の仕掛けた延縄(はえなわ)に全長一メートル、重さ四キロ、胴回り三.
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柿
15 11月 2014
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妖怪、タンタンコロリンは柿の実のお化けだ。宮城県の民話にでてくる。 ある寺の小僧のもとにきた男が、すり鉢ですった自分
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隼人
09 9月 2014
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大阪市の天王寺区には、二百ほどの寺や神社がある。なかでも谷町筋から松屋町筋にいたる界隈に、寺が集中している。今ではビル
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三女神と玉
17 7月 2014
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御元山(おもとさん)(御許山)は宇佐神宮の御神体といわれている。昨年の冬、大分県宇佐市に住む友人の招きがあり、登ることが
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櫛
28 6月 2014
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櫛は髪を梳り、汚れをとり、髪に挿して飾るものとして、世界の人びとから慈しまれてきた。日本の黒髪に映える鼈甲(べっこう)や
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酒
11 3月 2014
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昭和二十七年ごろのお座敷唄に、「ヤットン節」があった。「お酒飲むな酒飲むなのご意見なれど、酒飲みゃ酒飲まずにいられるも
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刀鍛冶
04 1月 2014
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日本独自の和式製鋼法であるたたら(・・・)吹き(・・)を奥出雲で見たのは、二年前の冬だった。 木原村下(むらげ)(たたら責任
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鮎
11 12月 2013
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今も昔も水辺は変わらずにある。古座川の透明な流れを前にして、そう思った。 去年の九月の台風十二号の来襲に、熊野一帯は
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鬼
24 10月 2013
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葛城は奈良盆地の南西部にある。そこの御所市に一言(ひとこと)主(ぬし)神社があり、私たちは「いちごんさん」と親しんでいる。.
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水銀・伊勢国
31 7月 2013
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三重県の真ん中ほどの山間に、車を走らせた。ここは多気郡勢和村大字丹生。 丹生は名のとおり古代から、朱砂・辰砂・丹砂と
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水銀
15 7月 2013
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和歌山県の高野山麓、標高約四百五十メートルのところに天野盆地がある。 紀ノ川を南へ渡り、柿の畑をぬけ、星川沿いに上り
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木炭
19 6月 2013
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昔から炭焼き職人には、「鼻の悪いのと、せっかちは駄目」といわれる。窯のなかの原木の焼け具合は、煙の微妙な変化を嗅ぎわけ.
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ゆりまつり
27 3月 2013
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樹々の緑がいちだんと暗く見えてきた。熊蝉や蜩(ひぐらし)がいっしょに鳴いている。 今年も初夏から山野をまわって、おみなえし
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遊行の民・遊び
06 1月 2013
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三重県のある山中に、卵型の大岩がある。 岩の表には太陽の力が、後には月の力がそれぞれ籠っていると伝承されている。ストー
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遊行の民・人形まわし
06 12月 2012
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祖父は生前、昔語りをよくしてくれた。 戦前の節分の話もそのひとつ。普段は人通りの少ない浜辺の辻から、にぎやかな声が近.
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地 震
10 11月 2012
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古来より日本の風土は、私たちの繊細な心を育んできた。湾になった白砂の海岸、深い渓谷にそよぐ照葉樹、火山の裾野の草など、.
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窟
23 9月 2012
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二月の冬晴れのある日、友人のはからいがあり、へリコプターで山岳修験の大峯(おおみね)奥(おく)駈(が)け道を上空からたどることが
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鯨・遠洋捕鯨
02 6月 2012
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「イルカと鯨の違いってなに?」と、よく聞かれる。動物分類学上は同じ仲間であり、イルカは体長五メートルまでのもの、そ.
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那智勝浦短歌大会
04 1月 2012
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早くも2012年が明けました。 お元気にて本年を迎えられたことと存じます。 このたび御尽力をいただきましたお蔭にて、「聖な
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猪
28 12月 2011
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年末、熊野の古座川町の友人から電話があった。猟仲間と山へ入り猪を一頭仕留めたので、肉をわが家にも送ってくれるという。獲.
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鯛
27 10月 2011
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その昔、身分ある人は鰯を食べなかった。 「鰯」は「いやしい」に通じると、地位ある人ほど鰯を見下げていたという。たとえ.
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相撲
03 9月 2011
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姉から小包が届いた。義兄が逝き六年、整理した遺品の一部が入れられてあった。私はそこから昭和六十年八月三日の、読売新聞のト
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橘
10 7月 2011
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十一月三日は文化の日。芸術や科学の向上発展に、めざましく功績のあった人びとに文化勲章が授与される。その勲章には永遠や悠
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和琴
19 5月 2011
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瀬戸内の海は、いつ見てもおだやかだ。道路のきわまで水位があり、たっぷたっぷ音をたてている。 九月初旬、広島県の福山駅から
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木炭·太安萬侶墓
10 3月 2011
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奈良盆地の市街地から東へ山間の道を車で三十分も走れば、稲田と茶山がひろがる田原の里に入る。県道から農道へ、北にすすむと
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蚕
27 1月 2011
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琵琶湖の東岸に繖(きぬがさ)山がある。稲穂がゆったりそよぐ近江平野の、ちょうどまんなかあたりだ。約四三〇メートルの頂まで登
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たたら炉
15 1月 2011
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「じだんだ踏む」という言葉がある。かんしゃくを起こし、はげしく地面を踏むようすをいうが、いかにもという響きである。地踏.
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戻り鰹とキイジョウロウホトトギス
10 9月 2010
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絶え間なく降り続く初秋の長雨。 紀伊半島の南部にも遅い季の移ろいがやって来た。沖合いでは水温の低下にともなって鰹(かつお).
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辺境の地ヘ
07 9月 2010
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シイの花が白く咲き始める春、山の神に深く一礼をすれば「よう来たのら」と、郷に招き入れてくれる。 人よりも山猿どもの.
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ヒダル神
06 9月 2010
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黒潮うねる大海に日差しがかかると、冬もあおあおした照葉樹の山の谷底へもにぶく反射する。遠目にはやすらぎの冬の緑。だがひ
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古座川三種
06 9月 2010
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海岸線から直角に古座川(こざがわ)に沿って五分も車を走らせると、もはや山中だ。海の気配はすでにない。 降り出して二時間.
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丸山千枚田
29 7月 2010
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棚田より五風十雨をことほげばわたしは石笛、楽鳴りいづる 龍神のお渡りと見え噴きのぼる霧に角ある風伝峠 ひとめぐりしたるもひ
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風伝峠
29 7月 2010
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白地図を展(ひろ)げるやうに桜散り胸のファスナーわずかに下げる 糸とんぼ返し縫ひして沼しづかこの遊星にぐらりと立てば
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海霧とイセエビ
29 7月 2010
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海霧が見たい。秋もふかまるとむしょうにそう思う。 海霧のニュースがながれたのは、去年は十月半ばが最初だった。ニュースのあ
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アカウミガメ
29 7月 2010
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ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、ザッ 砂にさし入れた聴診器から、小さいが確かな音が聴こえる。産卵したアカウミガメの卵が埋め
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